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渉成園大玄関
特別ディスプレイ

ディスプレイ写真_夜.jpg

渉成園、夜の顔

今宵、照らし出される庭園の裏の姿。


庭という空間は、造られた景色。抽象的な空間。
いつでも青々とした緑、永遠に続く、恒常的な世界。

 

その世界にとって、そぐわないモノたちは、
「害虫、雑草」と呼ばれ、ノイズとして除去される運命にある。
落ち葉、枯れ枝、萎れた花、キノコ、蜘蛛の巣。

 

庭で働く職人は裏方として、日々そんな庭の裏の姿を見つめる存在。
枯れ、朽ちて死んでゆくもの。また新たに生まれ、繁茂するもの。
そこにある、生命の理を見つめ続ける。

 

普段の昼の姿、表の顔に対し、今宵は「見えない世界」として
庭園の闇の部分に「スポットライト」を当てた、夜の特別な展示。

 

庭のバックヤード。
多様な生き物たちの楽園。

こちらは渉成園ライトアップ期間中の特別企画の展示です。
東本願寺御用達として日頃庭園にて働いている植彌加藤造園の職人達が制作しました。
約八〇〇年前(親鸞聖人の生きておられた時代)鴨川の氾濫の際に流れ着き、三年前の印月池工事の際に池底から発見された流木を始めとして、朽ち木やキノコなど、渉成園内のバックヤードにあったモノたちが使用されています。

 

※渉成園が内包する「見えない世界」の要素
・「生と死」の共存。庭園中心部にシンボルとして残された、百年前に枯死したビャクシン。
・文化財庭園としての調査研究の痕跡としての「発掘トレンチ」。
 普段見ることのできない庭園の地下の世界。
・通常は非公開となる隠居屋敷であった建築。ライトアップ期間中に開催される
 モニターツアーでは特別に蘆菴、臨池亭、滴翠軒に入ることができる。
・「北門」や「臨池亭」は、もともとは表向きの来客には隠された、身内向けの

 プライベートな空間と導線であった。

 (参照文献 加藤友規「渉成園の空間的特質に関する研究」 二〇一五年 )

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